求人の中でも音楽療法士だけの求人は少なく、音楽療法の仕事のみに従事している人は多くありません。音楽療法士になりたいのに、音楽以外の仕事が多いとジレンマを感じる人も中にはいます。
実は、医療機関や介護施設で実施する音楽療法は、音楽療法士を名乗らなければ、資格を持たない医療スタッフや介護スタッフも実施できます。
そのため、音楽療法士の資格を持って活躍する人の多くは、介護スタッフの一員として医療機関や介護施設で採用されていることがあります。また、ピアノ教室の講師などほかの音楽の仕事と掛け持ちをしているケースもあります。
音楽療法士を目指している学生は、医療機関や介護施設のスタッフとして働きたいのか、音楽をメインに仕事をしたいのかを決めておくことが大切です。その上で、自分のキャリアプランに合った音楽療法士以外の資格を取得すると良いでしょう。
音楽療法士の資格は、音楽大学などの認定校で取得する人と、医療機関や介護施設で経験を積んだのちに資格をとる人がいます。5年以上の経験があり、かつ2年以上音楽を使用した臨床経験がある介護スタッフで、すでに大学か短期大学・専門学校・高等専門学校で2年以上学んだ人であれば、音楽大学を出ていなくても必修講習会の受講と面接試験を経て資格をとれます。
認定講習会は2年ごとに受け付けており、仕事を続けながら勉強ができます。介護福祉士など難易度の高い資格を先にとった上で、音楽療法を実施している医療機関や介護施設に就職し、経験を積んでから音楽療法士を目指すというコースもあります。
介護施設で音楽療法士として活躍したい方は「介護現場の音楽療法士」も読んでみると良いヒントが得られるでしょう。