音楽療法士は介護の現場で働く場合、介護の仕事を兼任することが珍しくありません。介護施設は人手が足りないことが多く、専任の音楽療法士を雇う余裕がないのが現状です。

そのため、普段は音楽療法士も介護を行いながら、音楽によるケアが必要な時のみ、音楽療法の仕事をすることが多いです。音楽療法の頻度は施設によって様々で、週に1度程度演奏会を開くところもあれば毎日行うところもあります。

そもそも音楽療法の重要性が日本ではあまり広く知られていないため、専任の音楽療法士を募集している介護施設が少ないという現状もあります。したがって、専任の音楽療法士に絞り込んだ場合、求人を見つけるのが非常に大変です。

しかし、介護士との兼任という形であれば、申し込める求人の数は増えます。ただ、音楽療法に力を入れている介護施設でない限り、音楽療法士であることが給与に影響を与えることはあまりないようです。

場合によっては、音楽療法の手当も付かないかもしれません。また、中には音楽療法士募集と言っておきながら、音楽療法ではなく介護の仕事だけをさせる施設もあるので要注意です。

そして、音楽療法士は、自身が使用する楽器の手入れは、自己負担であることが多いです。そのため、限られた給与の中から生活費と楽器の手入れ費を捻出するために、やりくりが上手になる人も少なくありません。

また、十分な楽器の手入れを行うために、複数の介護の仕事をかけ持ちして、給与そのものを増やそうとする音楽療法士もいます。