音楽療法士は、医療や福祉、幼児分野などさまざまな職場で活躍しています。働く職場が異なれば、音楽療法に期待される効果やアプローチの方法などにも違いが生まれます。

そのため、音楽療法士が職場を選ぶときには、どのような形で働きたいのかという点を踏まえたうえで、働き方を検討していくことを忘れないようにしましょう。

例えば介護に関わる音楽療法士の仕事がしたい場合、老人ホームやデイサービスセンターなどの職場の候補が挙げられます。介護の職場における音楽療法といっても、対象者の状態によってさらに目的が変わります。

心身ともに大きな問題がなかったり要介護度が低い利用者であれば、日常生活に必要な基本動作を維持するために予防目的で行われるケースが多くなっています。さらに、施設の利用者に対して、レクリエーションという形で音楽療法を取り入れて、毎日に刺激を与えることも可能です。

音楽療法は活動性や自発性、コミュニケーション能力の維持にもつながるので、入居者の状態に合わせた形で介護に取り入れるようにするといいでしょう。

また、介護に関する職場の場合、認知症の症状で悩んでいる施設の利用者がいるケースも見られます。実は音楽療法は、認知症の周辺症状の緩和にも有効という考え方があります。

さらに介護の職場では、食事中などの音楽で施設の利用者をリラックスさせて、食事をスムーズに進めやすくなるなどの効果も期待されています。介護の職場では、音楽療法士が期待される役割を理解した上で仕事ができるようにすることが望ましいです。